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伝説のSFコミックをアニメ化!映画『BLAME!』の超次元バトル&サウンドがスゴイ!!

弐瓶勉さんがおよそ20年前に連載をスタートしたSFコミック『BLAME!』。映像化不可能と言われていた同作品を、『シドニアの騎士』のスタッフが3DCGアニメ化。5月20日から2週間限定で劇場公開されます。今回は複雑なテーマがからむ『BLAME!』の世界観をご紹介しつつ、映画の見どころをお伝えします。

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©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局
『シドニアの騎士』『BIOMEGA』といった数々のSF作品を描き、日本のみならず海外からも高い評価を集めているマンガ家、弐瓶勉さん。代表作の『シドニアの騎士』は2014年より2度にわたってアニメ化も実現。アニメ制作会社のポリゴン・ピクチュアズによって作り出された3DCGアニメは、その映像クオリティだけでなく、制作工程や販売戦略でも従来の国産アニメとは異なる取り組みが多く、熱い注目を集めました。
5月20日より公開される映画『BLAME!(ブラム!)』は、そんな弐瓶勉先生の長編デビュー作品であり、『シドニアの騎士』の制作チームと再びタッグを組んだ劇場アニメです。ゴールデンウィーク中の5月4日には完成披露試写会も開催され、実際に作品を鑑賞することができました。今回は『BLAME!』の世界観をお伝えしつつ、映画の見どころをご紹介します。

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原作はネット黎明期に描かれたSFコミックの金字塔

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新装版 BLAME!(1) (KCデラックス アフタヌーン) | 弐瓶 勉 |本 | 通販 | Amazon

『BLAME!』は、1997〜2003年に月刊アフタヌーン(講談社)で連載されたSFアクションで、弐瓶勉さんが描くSFワールドの原点とも言える作品です。
物語はテクノロジーの暴走によって、人類絶滅の危機に瀕していた遙か未来。ある「感染」によって、「都市」を管理するネットワークへのアクセス権限を失った人々は、テクノロジーから違法居住者、つまり駆除(抹殺)される対象に。「都市」の監視を逃れながら、細々と生き永らえることを余儀なくされています。一方、制御を失った「都市」は無秩序に拡張を続けていて、幾重もの階層からなる無限の世界を生み出していました。
主人公の霧亥(キリィ)は、ネットワーク制御を失う前に人類が持っていたとされる「ネット端末遺伝子」を求める探索者。無限に続く巨大都市のどこかで、人類を救うため、彼の果てしない旅は続くのでした。

知っておくと便利!『BLAME!』にまつわる用語たち

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新装版 BLAME!(2) (KCデラックス アフタヌーン) | 弐瓶 勉 |本 | 通販 | Amazon

独創的な世界観から、日本だけでなく海外からも高く評価されている弐瓶さんのSFワールド。一方で、原作はさまざまな用語が飛び交い、一読ですべてを把握しきれないほどの設定やシーンがいくつもあります。今作では、弐瓶さん自らがシナリオやキャラクターデザインなど、クリエイティブ全般に関わっていて、20年前に描かれた原作が再構築されています。そのせいか、初見でもストーリーの大筋が理解できるなど、とても分かりやすい親切な作品になりました。
そうは言っても、『BLAME!』の世界観を知っておくと、物語をより深く楽しめるのも事実。映画でしばしば登場する、覚えておくと役に立つ用語を(ざっくりと)ご説明します!

用語①:ネット端末遺伝子

霧亥が探し求めている旅の最終目的であり、人類を救う唯一の手掛かり。人々が「都市」をコントロールしていた遠い過去には、誰もが持っていたと言われている。この遺伝子を持つ者は、「都市」を制御するネットワーク(作中ではネットスフィアと呼ぶ)に自由にアクセスできる。
人々が隠れて住まう住居群。何者かが施した塗布防電(とふ...

人々が隠れて住まう住居群。何者かが施した塗布防電(とふぼうでん)によって都市の監視から逃れている。

©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

用語②:セーフガード

ネットスフィアに不正アクセスした者を排除する防衛システム。いわゆるアンチウイルスソフトのようなロボット。『BLAME!』の世界では、人類そのものが「都市」に制御できない違法居住者であり、セーフガードはまさに人類存続に立ちはだかる脅威となっている。セーフガードにはいくつかの種類があって、最も多いのはマネキンのような形をした「駆除系」。さらに上位のセーフガードには人に擬態できる存在もいる。
駆除系のセーフガード。能面のような不気味な顔立ち。

駆除系のセーフガード。能面のような不気味な顔立ち。

©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

用語③:都市

人類による制御を失ったことで、無限に増殖を続けている巨大構造物。セーフガードとは違う建設専用のロボットが無秩序に建造と修復を繰り返しているため、都市の構造はまるで迷路のように入り組んでいて、都市を制御できる「統治局」ですら全貌を把握できていない。作中で霧亥は6000階層からやって来たことを漁師たちに伝えていた。
都市を自動で生み出すロボット「建設者」。

都市を自動で生み出すロボット「建設者」。

©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

用語④:統治局

都市を制御するネットスフィアの支配レベルにある存在。コンピューターでいうOSのような立ち位置だが、セーフガードや建設者の暴走を止めることができない。「ネット端末遺伝子」を持つ人間がネットワークに正規アクセスすることが、人類がふたたび都市の主としてコントロールを取り戻す唯一の手段とされている。
霧亥(写真左)が古の研究者・シボ(同右)と出会うことで...

霧亥(写真左)が古の研究者・シボ(同右)と出会うことで物語が動き出す。

©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

超近未来SFとクラシックな演出が融合した映像

気になるストーリーですが、今作は原作でいう「東亜重工」でのエピソードを元にした、オリジナル脚本となっています。細かいネタバレは避けますが、原作にも登場した、づるや捨造たち流浪の民は「電基漁師」という設定へとリファインされ、物語を彩る重要なキャラクターへと昇格。霧亥、シボ、サナカンなど、義体化やロボットといった生を超越しているキャラクターに対して、食糧不足やセーフガードの脅威にさらされ、生き残るためにもがく人間たちのドラマはとても感情移入しやすく、作品が観やすくなりました。
電基漁師たちはスピアガンのような武器で外敵から身を守っ...

電基漁師たちはスピアガンのような武器で外敵から身を守っている。

©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局
もちろんセーフガードと繰り広げるスピーディなバトルは迫力満点。『シドニアの騎士』『亜人』で見せた、ポリゴン・ピクチュアズが描くヒリヒリとした緊張感は健在で、アクション目当てで鑑賞する人でも十分に満足できるはず。監督・脚本を手掛けるのは『シドニアの騎士』から弐瓶さんとの作品が続く瀬下寛之さん。瀬下さんは他にも『亜人』などを手掛けていますが、映像のクオリティはさすがの安定感です。

また、原作がとても色々な想像をふくらませられる世界観になっているので、原作ファンにとっても楽しめる内容となっています。霧亥が映画冒頭から自我を失い、極端に口数が少ない理由も何だか意味深。メインヒロインというか、霧亥のパートナーとして重要な役割を担うシボは、相変わらずトリッキーな姿をさらしてくれますし、サナカンの登場シーンはきっとニヤリとさせてくれるはずです。
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©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局
個人的に『BLAME!』を見て感じたのは、演出のモチーフに古き良き西部劇に似た手法が用いられていることです。

原作でも、霧亥が旅の行く先々でさまざまな登場人物に出会い、物語が展開していく「股旅モノ」のような要素が見られますが、づるたちが一日の終わりに火を囲むシーンや、霧亥が重要なアクションを起こすたびに流れる壮大なサウンドなど、超近未来的SFでありながらどこか懐かしい匂いを漂わせています。

日本アニメ初の「ドルビーアトモス」を採用した立体的サウンド

もうひとつ、映画『BLAME!』で欠かせないのはサウンドです。キャラクターたちが忍ばせる足音やモノが落下していく音、金属同士が擦れる音など、無限に広がる「都市」の中で発せられるさまざまな音が立体的に表現されています。

音響監督は岩浪美和さん。近年では爆音上映で話題を呼んだ『劇場版ガールズ&パンツァー』をはじめ、アニメを中心にさまざまな作品のサウンドを手掛けているベテランです。さらに音楽は、NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』や映画『3月のライオン』といった実写から、『亜人』『PSYCHO-PASS サイコパス』といったアニメまで幅広く手掛けるヒットメーカーの菅野祐悟さんが担当。テクノからオーケストラっぽい音楽まで、多彩なサウンドを響かせてくれます。
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©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局
これらのサウンドを楽しむなら、ぜひ映画館で鑑賞するのがおすすめ。なぜなら『BLAME!』は、日本のアニメで初めて、最新のサウンドシステム「ドルビーアトモス」を採用した作品だからです。

ドルビーアトモスは従来の劇場サラウンドスピーカーに加えて、高さを含めた3次元的サウンド表現を可能にした音響プラットフォーム。前述した緻密なサウンドをより臨場感高く体験することができると思います。

『BLAME!』の劇場公開は5月20日(土)から2週間限定

本作はカンヌ国際映画祭から派生した「アヌシー・アニメーション国際映画祭2017」に正式出品が決定。映画は5月20日から2週間限定で劇場公開と、海外からも高い注目を集めています。NETFLIXでも同日から世界同時配信を予定していますが、臨場感あふれる映像と立体的サウンドを楽しむならぜひ劇場へ。霧亥の果てしない旅路の行方をどうぞお楽しみください!
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©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

映画『BLAME!(ブラム)』

【キャスト】
霧亥:櫻井孝宏/シボ:花澤香菜/づる:雨宮天/おやっさん:山路和弘/捨造:宮野真守/タエ:洲崎綾/フサタ:島﨑信長/アツジ:梶裕貴/統治局:豊崎愛生/サナカン:早見沙織

【スタッフ】
原作:弐瓶勉『BLAME!』(講談社「アフタヌーン」所載)
総監修:弐瓶勉 監督:瀬下寛之
副監督/CGスーパーバイザー:吉平"Tady"直弘 脚本:村井さだゆき
プロダクションデザイナー:田中直哉 キャラクターデザイナー:森山佑樹
ディレクター・オブ・フォトグラフィー:片塰満則 美術監督:滝口比呂志
色彩設計:野地弘納 音響監督:岩浪美和 音楽:菅野祐悟
主題歌:angela「Calling you」 音楽制作:キングレコード
アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
配給:クロックワークス 製作:東亜重工動画制作局

©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

「BLAME!(ブラム)」公式サイト

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「BLAME!(ブラム)」2017 生き延びろー。世界中のクリエイターやSFファンを虜にした伝説のコミック、待望の劇場アニメ化ー
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コマツ
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KADOKAWAのエンタメ系情報誌で編集者を経て、フリーに転向。 得意分野は漫画を中心に、映画やアニメなどインドアエンタメが中心です。

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