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映画『BLAME!』完成披露上映会レポート!櫻井さん「セリフが少ないからって簡単じゃないぞ?」

5月20日公開の映画『BLAME!』に先駆けて、5月4日には完成披露上映会が行われました。会場の丸の内ピカデリーには、櫻井孝宏さん、雨宮天さん、宮野真守さん、監督の瀬下寛之さん、副監督の吉平”Tady”直弘さんが登壇し、作品の制作秘話を語るトークイベントも実施。今回は当日の模様をざっくりとお届けします。

©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局 (152973)

via ©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局
5月20日に限定上映される映画『BLAME!(ブラム)』。独創的な世界観を描く鬼才・弐瓶勉さんが20年前に発表したマンガを原作に、『シドニアの騎士』以来の弐瓶作品となる瀬下寛之監督×ポリゴン・ピクチュアズが作り出した3DCGアニメーションです。
待ちに待った公開日を前に、5月4日には東京・丸の内ピカデリーで完成披露上映会が開催。映画の後には主演の霧亥役を務める櫻井孝宏さん、づる役の雨宮天さん、捨造役の宮野真守さん、そして監督の瀬下寛之さんと副監督の吉平”Tady”直弘さんがそれぞれ出席。およそ30分間にわたってトークライブを披露しました。今回はその模様を、編集でかいつまみながらお伝えします。

伝説のSFコミックをアニメ化!映画『BLAME!』の超次元バトル&サウンドがスゴイ!! | rooVeR [ルーバー]

伝説のSFコミックをアニメ化!映画『BLAME!』の超次元バトル&サウンドがスゴイ!! | rooVeR [ルーバー]
弐瓶勉さんがおよそ20年前に連載をスタートしたSFコミック『BLAME!』。映像化不可能と言われていた同作品を、『シドニアの騎士』のスタッフが3DCGアニメ化。5月20日から2週間限定で劇場公開されます。今回は複雑なテーマがからむ『BLAME!』の世界観をご紹介しつつ、映画の見どころをお伝えします。

Q1:『BLAME!』劇場アニメ化の率直な感想は?

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©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

櫻井孝宏さん(霧亥役)

僕も完成された映像を観させていただいて、想像は色々としてましたけど、もう斜め上をいくすさまじいビジュアルで大感動でした。そして霧亥、かっこいいなって(笑)。もう本当に自分がやらせていただいている役なので、ちょっとあまり言うのもはばかられるかもしませんけど、本当にかっこいいなと思いましたね。

SF作品って語り出すとキリがないですけど、決して敷居の高いものではなくて、本当にドラマチックで素敵な作品だなあって思いました。

雨宮天さん(づる役)

収録の時はぜんぜん絵もなく、先に声を録って、そこに映像がつくという形だったので、設定資料以外はラフの画すらなくて。本当に想像しながらという感じだったので、完成版がどうなるのか正直全然分からなかったんです。

いざ出来上がったものを観てみると、観ている間はずっと体に力が入りっぱなしでした。ちょっとこう、お話が落ち着いてふうーってなったら、また希望と絶望の繰り返しで、終わった後は正直疲れたというか(笑)。でもそれはただの疲労感ではなくて、すごく言葉にしづらいんですけど、幸せなあったかい満足感とはちがう、充足感みたいなものがありまして。今こうして観終えたあとで、皆さんと気持ちを共有できるのがうれしく思います。
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©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

宮野真守さん(捨造役)

雨宮さんがお話したように、今回はプレスコだったので。僕も観させていただいた時は感動しました。こんなにSFだったんだって。(収録中は)ホントに会話なんですよね。ト書きのほうがセリフよりも多いような台本がばーーってあって。それをみんなで共有しながら、「こういう状況だよね」って想定しながらしゃべっていたんですけども。

それが実際に絵になると、こんなにかっこよくてこんなにスピーディでこんなにスリリングなんだって。もうめり込んで観てしまいました。プレスコだったにもかかわらず、声優さんってすごいな、何この臨場感って最初から掴まれてしまいまして。すごいことを僕らはやってるんだなーって自分たちが感じられることって、幸せなんだなって思いました。お芝居と映像が本当にマッチングして、本当に素晴らしい作品になってるなっていう風に思います。

監督:瀬下寛之さん&副監督:吉平”Tady”直弘さん

瀬下さん:もう、とにかく感無量ですね。

吉平さん:本当に「映像化できない」って言われていた作品を僕らは作り始めて、プレスコで声を録って、ひとつひとつカットを作っていく中で、2年後の(この劇場の)客席でごあいさつして、見たことのないすごいアニメだと言ってもらえることを目標にずっとやってきたので、今日この歴史のある映画館に立てて本当にうれしいです。

Q2:プレスコ収録について(雨宮さんは初挑戦)

※プレスコとは、映像を制作するよりも早くセリフなどのレコーディングを行う手法。アフレコ(映像に合わせて収録する方法)が一般的な日本では、プレスコ収録は比較的珍しい。

プレスコ収録はイメージの共有がすごく大事(宮野さん)

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©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局
櫻井さん:僕ら(櫻井さんと宮野さん)はポリゴン・ピクチュアズさんとのお仕事の中でプレスコの体験はしていて。僕はそんなに口数の多いキャラクターでもないんですけど(笑)。だから収録中はちょっと輪から外れたところにいるんですけど、(宮野さんが演じる)捨造なんかは特に電基漁師たちの中でもリーダー的な存在だったり中心人物だったり年長じゃだったりするんで。宮野君が場づくりじゃないですけど、このシチュエーションはこういう風に作っていこうっていうのを瀬下監督たちと一緒に作り上げていってましたね。

宮野さん:うれしいです。さっき言っていただけたようにイメージの共有がすごく大事なので。初めて収録に入ると、単純に進め方がわかんないと思ったので、なのでそういう細かいところ、自分が経験して言えるところは伝えて、イニシアチブを取れたらなあって思いながらやってましたね。

櫻井さん:そうやってどんどん組み上がっていくっていうか、目の前で立体的になっていくのがすごく見てて楽しくて。なので雨宮さんも戸惑いとかはあんまりなかったんじゃ……え、あった?

共演者の演技をものすごく集中して聞いてました(雨宮さん)

雨宮さん:ものすごい緊張してました(笑)。まったくの初めてで、一瞬でも自分がその場で集中が切れてしまったら……と。集中しながら他の人たちが今何の演技をしているのか、どういう状態を表現しているのかってひたすら聞きながら、それを返していく作業だから、一瞬でも気を抜いてはいけないという気持ちで……かなり必死でした(笑)。

宮野さん:言われてみるとそうだね。画がない分、相手の芝居によって映像が変わるじゃないですか。頭の中でイメージしてる映像が。そういうのにも集中しないといけないから、最初は難しかったよね。

雨宮さん:はい。なんか呼びかけられてそれに返す時も、先にしゃべった人の距離感に合わせるような感じだったりとか。ものすごく人の演技を聞きましたね。

櫻井さん&宮野さん:おお~~。

宮野さん:プレスコ収録のすばらしいところってそこなんですよね。なんか改めて気付けるというか。お芝居の間合いだったり楽しさだったりとかって、こういうことだったかもしれないとか。

櫻井さん:自由だけじゃないんですよ。その中で自分たちでちゃんとルールというか、こういうイメージにしようっていう。たとえば、ここは15mくらい走って止まって振り返るっていうやり取りを、みんなでディスカッションしてやると本当にその通りになる。あのピタッてハマるシンクロ感はすごいなって思いました。
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©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

宮野君の「へい」はアニメ史に残る「へい」です(櫻井さん)

宮野さん:あと、監督陣は役者たちの間合いをそのまま絵にしてくれてますよね。

瀬下さん:してますね。

宮野さん:ね、そこがうれしくって。なんか僕らのお芝居も作品を作るうえで、少なからず映像に対して影響を与えられているのかなあって。

吉平さん:表情はプレスコのときはないわけですしね。声優さんの芝居から感情を読み取ってインスピレーションを受けて、コンテのほうもリアルタイムで変えていくっていう感じですね。

宮野さん:さっきも取材の時に櫻井さんがうれしいことを言ってくれて。間合いがすごく好きなのがあったよって。

櫻井さん:(作中で)シボを連れて自動工場に行ってわーって喜んでいたら、セーフガードがわさわさと出てきて。で、ジリジリと下がりながら、おやっさんが「油断するんじゃねえぞ」と言ったら、捨造が「へい」って。この間がですね。最高なんですよ。アニメ史上一位の「へい」です。

瀬下さん:あれはですね。昔のクラシックな西部劇がお好きな方がいたらわかっていただける渋い間なんですよね。テンポのいい今のアニメを観ていらっしゃる若い子にとっては、ちょっと耐えられない間なんですけど、そのギリギリをね、いい感じにやっていただいて。

宮野さん:「へい」。

櫻井さん:渋いなあ〜。

Q3:映画制作においてこだわった点は?

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©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

霧亥は無言でも感情が伝わる(吉平副監督)

瀬下さん:(櫻井さんが演じる)霧亥がしゃべんないので(笑)。だからかっこいいライティングとか、かっこいい表情とか、あと櫻井さんが息遣いだけで表現していらっしゃる間とかを、とにかく絵にしてますね。それでも僕とここにいる吉平Tadyは、「いいのかなこれで」と(笑)。そしたら音楽チームの菅野(祐悟)さんがいい音楽を付けてくれて。菅野さんの言い回しで言うと「まあどうせしゃべんないからいい曲つけておこうかな」みたいな。

宮野さん:わーお。

吉平さん:編集しながら「ここ、メロディだな」と(笑)。台本には”2秒の間”とか書いてあるんですよね。

櫻井さん:ああーあった!ありましたね。

吉平さん:最初に2秒でやってると、ちょっと不安になって「これ映像もたないんじゃないか?」ってなるけど、だんだん勇気をもって4秒になり、最後のほうでは20何秒くらいの。それでも霧亥の感情が伝わるっていうのがね。

宮野さん:そう、伝わるんです。いやもう、すごいと思いません?

櫻井さん:ほんとに?俺のこと?

宮野さん:台詞が少ないから簡単っていうことじゃないんですよ、全然!

櫻井さん:そうなんだぞ?わかってるか?
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©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

櫻井さんがぼそっと言った”ひとこと”は一生忘れられない(瀬下監督)

宮野さん:櫻井さんのすごいところは、ポッとセリフを言ったときの説得力が半端なくて、あれができる声優はこの業界で櫻井孝宏しかいないという。

会場:(拍手)

櫻井さん:いやいやいや。

瀬下さん:今日、僕ここで初めて話しますけど、プレスコの時に櫻井さんがぼそっと僕に言ったセリフ、一生忘れないレベルで印象に残っていて。「あのー監督、霧亥って何考えてるんですかね」って。

櫻井さん:……ちょっと監督? これバッドタイミングですよ(笑)。

宮野さん:めっちゃ褒めてたのに(笑)。

Q4:今回の映画は女の子キャラが本当にかわいいのでは。

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©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

弐瓶先生が「づるは絶対かわいくないとダメ」って(瀬下監督)

瀬下さん:これはですね、やっぱり弐瓶先生が「づるは絶対かわいくないとダメでしょ」と。

雨宮さん:(笑)

瀬下さん:もうその一言で、すべてその通りに進んだだけですね。

雨宮さん:一番最初にヘルメットを外すシーンを見て「かわいい!」って(笑)。

宮野さん:すっごいかわいいよねえ。

雨宮さん:もうめちゃくちゃかわいくて。でも、づるの役のオーディションを受けさせていただいた時に、づるがまだ14歳っていうことで、ちょっと子供っぽく演じたんですね。そしたらディレクションで「生まれた時から生きるか死ぬかの厳しい世界で生きてきた子だから、そういう子供っぽいかわいさとかはなくていいから、もっと地声でやってください」って言われて。だから落ち着いた場面では年相応の面も見せられるように意識しながら演じさせてはいただいたんですが、完成版を観た時に自分が思っていたよりづるがすごくかわいくて(笑)。でも全然不自然なかわいさじゃなくて、物語の中でとてもいい立ち位置にいる、いい感じに成立してるキャラだと思いますね。

『シドニアの騎士』を応援のおかげで生まれた今回の劇場版

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©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局
最後は来場者に向けて、登壇者のキャスト&スタッフ5人がそれぞれコメントを言って締めくくられた今回の完成披露上映会。ラストは瀬下監督がおっしゃった「『シドニアの騎士』の時に応援してくださったファンのおかげで、弐瓶先生の世界に誇れるSF世界を映像化することができた」というコメントが印象にのこりました。

2週間限定ではあるものの、大迫力の映像と音響は劇場でこそ真価を発揮できるもの。作品が気になった方は、これを機会にぜひ劇場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

5月27日・28日には公開記念舞台挨拶付き上映会が決定!

5月27日(土)には、新宿・池袋・さいたまと3つの映画館を会場に、シボ役の花澤香菜さん、瀬下寛之監督、吉平“Tady”直弘副監督、岩浪美和音響監督の4人で贈る映画『BLAME!』公開記念舞台挨拶付き上映会「シボ祭り」が開催。来場者には、得点で原作者の弐瓶勉&花澤香菜さんによる複製サイン入りシボ色紙(弐瓶勉描きおろし)をプレゼント!
「BLAME!(ブラム)」公式サイト

「BLAME!(ブラム)」公式サイト

さらにその翌日の5月28日(日)には立川・川崎・みなとみらいの3会場で、映画『BLAME!』公開記念舞台挨拶付き上映会が開催します。こちらは櫻井孝宏さん、花澤香菜さん、angelaさん(主題歌担当)、瀬下寛之監督、吉平“Tady”直弘副監督と、前日とはまた違う主要メンバーでトークイベントが行われます。

それぞれ公開から2週目に入ったからこそ話せるディープな制作秘話が聞ける模様。一部チケットはまだこれから販売予定なので、ファンはもちろん、興味を持った人はぜひチェックしてみてください!
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©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

映画『BLAME!(ブラム)』

【キャスト】
霧亥:櫻井孝宏/シボ:花澤香菜/づる:雨宮天/おやっさん:山路和弘/捨造:宮野真守/タエ:洲崎綾/フサタ:島﨑信長/アツジ:梶裕貴/統治局:豊崎愛生/サナカン:早見沙織

【スタッフ】
原作:弐瓶勉『BLAME!』(講談社「アフタヌーン」所載)
総監修:弐瓶勉 監督:瀬下寛之
副監督/CGスーパーバイザー:吉平"Tady"直弘 脚本:村井さだゆき
プロダクションデザイナー:田中直哉 キャラクターデザイナー:森山佑樹
ディレクター・オブ・フォトグラフィー:片塰満則 美術監督:滝口比呂志
色彩設計:野地弘納 音響監督:岩浪美和 音楽:菅野祐悟
主題歌:angela「Calling you」 音楽制作:キングレコード
アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
配給:クロックワークス 製作:東亜重工動画制作局

©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

「BLAME!(ブラム)」公式サイト

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「BLAME!(ブラム)」2017 生き延びろー。世界中のクリエイターやSFファンを虜にした伝説のコミック、待望の劇場アニメ化ー
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コマツ
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KADOKAWAのエンタメ系情報誌で編集者を経て、フリーに転向。 得意分野は漫画を中心に、映画やアニメなどインドアエンタメが中心です。

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