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美樹本晴彦インタビュー『甲鉄城のカバネリ』【後編】──美少女キャラクターの注目ポイントは「唇」!? | rooVeR [ルーバー]

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美樹本晴彦インタビュー『甲鉄城のカバネリ』【後編】──美少女キャラクターの注目ポイントは「唇」!?

現在、フジテレビの”ノイタミナ”で人気放送中のアニメ『甲鉄城のカバネリ』。美しいグラフィックでも話題を集める注目作のキャラクター原案を務めた美樹本晴彦さんに、主人公・生駒やヒロイン・無名や菖蒲などのキャラクター誕生秘話を聞きました。

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via 甲鉄城のカバネリ
『甲鉄城のカバネリ』キャラクター原案・美樹本晴彦さんのインタビュー後編は、美樹本さんのキャラクターデザインに対する考え方を伺いました。これまでに関わった仕事についてや女性キャラクターを魅力的に見せるポイント、さらに仕事中についつい出てしまう悪い癖まで、いろいろな話題に触れて語っていただきました!

『甲鉄城のカバネリ』美樹本晴彦さんインタビュー【前編】──この衝撃は『トップをねらえ!』以来かもしれない - rooVeR [ルーバー]

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前編のインタビューはこちら! 美樹本さんが『甲鉄城のカバネリ』のオファーを受けるまでの経緯などについて、色々とお伺いしています。

『甲鉄城のカバネリ』美樹本晴彦さんインタビュー【中編】──無名や菖蒲のモチーフはあの漫画のキャラクターだった! - rooVeR [ルーバー]

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インタビュー中編の内容はこちら! 無名や菖蒲などメインキャラクターの誕生秘話が語られています!

「甲鉄城のカバネリ」PV第三弾_2016.03.17解禁 - YouTube

フジテレビ“ノイタミナ”にて毎週木曜24:55~放送 ほか各局でも放送 4月7日(木)フジテレビ初回放送は24:25〜放送 Amazonプライム・ビデオにて日本・海外独占配信 第1話:日本では4月6日(水)24:00~先行配信 第2話以降:日本では毎話フジテレビ放送直後の木曜27:00~配信予定 [主題歌] オー...

美樹本さんが興奮したアニメとは?

──『甲鉄城のカバネリ』は、これまでに関わられた作品と比べても大きな衝撃を受けた作品でしたか?

美樹本晴彦(以下、美樹本):それはもう大きかったですね。ただ、僕はこれまでに関わらせていただいたアニメ作品にとても恵まれていたと思うので。やはり『トップをねらえ!』などは、CG技術がまだなかった時期ですし、今と比較は出来ませんが当時の衝撃はすごかった。

自分で描いた原案よりも素晴らしい絵だったり、自分の絵にそっくりな絵だったり。当時だったら貞本義行さんなど、自分より上手い凄腕の方々が描いてくださっていたので、素直に感激した思い出があります。窪岡俊之さんが作画監督を務められた、ノリコが腕を組んで仁王立ちになっているシーンなんてすごく興奮しました。

あとは『マクロス7』なども、作画監督の桂憲一郎さんの絵柄がすごく良い形で全面に出ていて、『トップをねらえ!』や『カバネリ』とは違う意味で、すごく勉強になった作品でしたね。
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via 甲鉄城のカバネリ

女性キャラクターを描くときに意識するポイント

──キャラクターを描くとき、美樹本さんはキャラクターのどの部分に力を入れますか?

美樹本:キャラクターによってその都度変わると思います。もちろん目は大事なんですけど、目はある意味、自分のパターンみたいなものが出来上がってしまっているので。それは決して良いことではないんですが。だからわりと緊張しなくても、振り幅が少ない部分になっています。ただ、その目つきや口については、デジタルで描くようになってから特に、自分の悪い癖を修正しながら補正していくのにかなり手間ひまを割いていますね。

あとは足ですかね。美脚という意味とは違うと思いますが、なるべく柔らかいラインになるようにと。
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via 甲鉄城のカバネリ

デジタル作画中にいつも直している「悪い癖」

──悪い癖というのは?

美樹本:以前、某TVドラマを拝見していたとき、ちょうど共感するネタが出てきて笑ったことがあります。

そのドラマの中の漫画家さんが、歳を取るに従って絵柄が変わってしまうというネタで。実は描く姿勢が変わるせいだったのですが、僕なんかは若いときから姿勢が悪いんですよ。凄く低い位置、机の上に置いた左手の上にあご乗せてみたいな姿勢から描くものですから、常に斜め下の視点から見て描いているようなもので。

するとどうなるかと言うと、絵は頭が大きくて下の方が小さくなっちゃう。その癖は昔から抜けないんですよね。手描きの頃はその癖がそのまんま残ってしまい作品になってしまっていたんですけど、それがデジタルになって真正面から見返せるので……。後から一生懸命直しています。だからいつも時間が足りなくなってしまう(笑)。キャラクター原案でもそうですが、意識していても出ちゃうんですよね。
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via 甲鉄城のカバネリ

アシスタントと盛り上がった深夜の下ネタトーク⁉

──漫画家やイラストレーターの方々によっては、女性キャラクターは髪が長い方が表現を付けやすいと聞きますが、共感されますか?

美樹本:そこもわりと気分によって変わりますね。最近だと、女性の表情の違いで面白いと感じるのは唇かな。

例えば、ある女性タレントがブレイクしたときに、その人がタラコ唇だったとすると、その人の個性やメイクが魅力的だって扱われたりしますよね。僕たちもそれを見ると、良いなと思ったりする。そういう所でどんどん女の子の綺麗に見えるところとか、魅力的に見える部分が変化していきますよね。
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via 甲鉄城のカバネリ
──たしかにそこは分かるような気がします。

美樹本:ただ、僕はあまりフェチではないので(笑)。随分、昔の話ですけど、当時漫画を手伝ってもらっていた人たちが全員、アダルト系の漫画を描いている人たちだったことがあって。すると深夜、執筆中にそっち系の話で盛り上がるんですよ。

聞いていると、それはもうすごいんです。「肩甲骨は線で描くのと、トーンの影で描くの、どっちが良い?」とか(笑)。「今、どこを描くのが楽しいの?」って聞くと、「自分は膝の裏かな」とか。それはもうね、ああ、そういう分野にはかなわないなって痛感させられました。
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via 甲鉄城のカバネリ
──(笑)。そこは共感できなかったんですね。

美樹本:さすがに付いていけませんでした(笑)。でも、彼らはそういうことを常に考えて描いているわけですよね。僕はせいぜい目とか唇が良いよなとか、手つきがどうとか、そんな程度です。

髪型でいうと、実はショートが好きですね。イラストなどで描くとき、ちょっと髪の毛のなびいた感じをデザイン的に描くという点では長い髪が便利なんですけど、どちらが好きかと言われたら、わりと短い感じの髪型の方が好みです。実際に、ふわっと自然に描くときだとロングよりショートのほうが自由になびかせられると思うんですよね。
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via 甲鉄城のカバネリ

現場を体感して感じるアニメと漫画の違い

──美樹本さんはアニメに限らず、漫画やイラストレーションでも活躍されていますが、それぞれキャラクターの描き方に何か違いはありますか?

美樹本:イラストといっても、例えばカードゲームのキャラクターイラストとアニメのキャラクターを描くときは似ていますが、漫画のときは悪いクセが出てしまいますね。漫画もアニメのキャラクターを描くときと同じように、ちゃんとキャラクター性を考えてデザインして描かなければいけないと思うのですが、つい好きな絵で描いてしまって。

アニメのキャラクターの場合は、監督さんやライターさんによってキャラクターのイメージはある程度かそれ以上につくられていて、僕はそのキャラクターを表現するためのポイントみたいなものを分かりやすく、そして少しでも魅力的にと専念できますからね。むしろ僕はその土台を考えるのが苦手なんです。だから漫画だと、どうしても描きやすい絵に流れちゃう。

イラストなどのお仕事でも、担当さんから「好きに描いても良いよ」って言われると、もう全然キャラクター性のない女の子を描いちゃいますから(笑)。例えば、写真とかで言うと、アイドルのグラビアとかではなく、街中で撮られたスナップのように、どこの誰だかわからないけどさりげなく写っている女の子とか。そういう被写体を描く方が好きなんです。キャラクターデザインとは全然正反対ですよね。
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via 甲鉄城のカバネリ
──それぞれインスパイアされるものも変わってきますか?

美樹本:アイドルみたいな存在をイメージするときもあれば、『カバネリ』のように自分が描いたキャラクターを再度イメージすることもあります。前に描いたものをそのまま描こうとすることとは違うんですけどね。でも、雰囲気はヒントにして。その時々でイメージを作るヒントは違います。

──他のアニメやドラマ、映画など、普段ご覧になったエンタメ作品から着想を得ることは?

美樹本:心理的な奥の部分で影響はあるんでしょうけど、直接的に目的を持って作品を観ることはあまりありませんね。純粋に楽しみたくて観ています。最近ですと、実写映画の『ちはやふる』を観て、いいなぁと思ったり。上の句も下の句も観てきて、もう涙腺崩壊でした(笑)。
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via 甲鉄城のカバネリ

『カバネリ』は自分にとって「ご褒美」みたいなもの

──最後に話を再び『カバネリ』に戻します。今回、行われたメイクアップなどの手法は、今後キャラクター原案としてアニメで仕事に関わるときの大きなモチベーションになるのでしょうか。

美樹本:『カバネリ』に関わらせていただいて、すごくありがたいと思ったことがひとつあるんです。

今まで僕の絵はアニメの中で描けないとずっと言われてきましたけれど、『カバネリ』は「いや、描けますよ?」という証明をしてくれたような感じでしょうか。ドラマや映画の中でよくある、やり手の弁護士さんが逆転無罪を勝ち取ってくれたみたいな(笑)。でも、それはアニメの製作現場の大変な作業の上でのことで、とても気軽なことではないですよね。荒木監督を始め、スタッフの皆さんには本当に感謝しています。

メイクアップアニメーターのような新しい手法が、今後のアニメ業界で浸透するのかどうか、正直分かりません。でも、今回に関してはすごくありがたい体験をさせていただきました。

僕にとって、『カバネリ』でのキャラクター原案作業や荒木監督を始めとする皆さんとのお仕事は、長年やってきたご褒美をいただいたみたいな気持ちもあって、イラスト仕事で少しでもお役に立たなければと少し肩に力が入っております(笑)。
『甲鉄城のカバネリ』美樹本晴彦さんインタビュー
【前編】https://www.roover.jp/articles/JzwUL
【中編】https://www.roover.jp/articles/b4SWl
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via 甲鉄城のカバネリ
TVアニメ『甲鉄城のカバネリ』
4月7日よりフジテレビ系列で24:55より放送中
Amazonプライム・ビデオにて日本・世界独占配信
日本では毎話フジテレビ放送直後の木曜27:00〜配信中
http://kabaneri.com/

【スタッフ】
監督:荒木哲郎/シリーズ構成・脚本:大河内一楼/キャラクター原案:美樹本晴彦/アニメーションキャラクターデザイン・総作画監督:江原康之/音楽:澤野弘之/助監督:田中洋之/設定統括:笠岡淳平/コンセプトアート・デザイン:森山洋/デザインワークス:形部一平/コンセプトボード:吉田史朗/プロップデザイン:常木志伸/美術デザイン:谷内優穂、曽野由大、青木薫/総作画監督:丸藤広貴、浅野恭司
アクションアニメーター:川野達朗、世良悠子/メインアニメーター:手塚響平/チーフメイクアップアニメーター:松本幸子/美術監督:吉原俊一郎/色彩設計:橋本賢/CGディレクター:籔田修平/撮影監督:山田和弘/編集:肥田文/音響監督:三間雅文/音響効果:倉橋静男(サウンドボックス)/アニメーション制作:WIT STUDIO/制作:カバネリ製作委員会

【キャスト】
生駒:畠中 祐/無名:千本木彩花/菖蒲:内田真礼/来栖:増田俊樹/逞生:梶 裕貴/鰍:沖 佳苗/侑那:伊瀬茉莉也/巣刈:逢坂良太/吉備土:佐藤健輔/美馬:宮野真守

(C)カバネリ製作委員会
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コマツ
コマツ

エンタメ系情報誌で編集者を経て、フリーに転向。得意分野はマンガを中心に、映画やアニメなどインドアエンタメが中心です。

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