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『妄想テレパシー』NOBEL先生インタビュー後編。「卒業式までのシナリオはすでに決まってます」 | rooVeR [ルーバー]

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『妄想テレパシー』NOBEL先生インタビュー後編。「卒業式までのシナリオはすでに決まってます」

Twitterで毎日4コママンガを連載する「ツイ4」でNOBELさんが描いている『妄想テレパシー』。作品を掲載するたびに数百もの反響が寄せられる人気4コママンガですが、どのようにして作品が生まれたのか、NOBELさんにインタビューしました。前編に続く後編では、『妄想テレパシー』の今後の展開について語っていただきました。

Twitterで毎日4コママンガを連載する「ツイ4」で連載中の『妄想テレパシー』。

作者・NOBELさんへのインタビュー後編は、前編の終わりで先生が語っていた「本当に描きたいテーマはここから」という話題をはじめ、『妄想テレパシー』の今後を中心にお届けします。

『妄想テレパシー』NOBEL先生インタビュー前編。「このマンガで本当に描きたかったテーマはこれからです!」 | rooVeR [ルーバー]

『妄想テレパシー』NOBEL先生インタビュー前編。「このマンガで本当に描きたかったテーマはこれからです!」 | rooVeR [ルーバー]
Twitterで毎日4コママンガを連載する「ツイ4」でNOBELさんが描いている『妄想テレパシー』。作品を掲載するたびに数百もの反響が寄せられる人気4コママンガですが、どのようにして作品が生まれたのか、NOBELさんにインタビューしました。

第4巻では中野さんの心境に大きな変化が……?

お誘いは嵐のように -『妄想テレパシー』NOBEL |...

お誘いは嵐のように -『妄想テレパシー』NOBEL | ツイ4 | 最前線

via sai-zen-sen.jp
夏休みの祇園祭で後輩の清水くんが中野さんに猛アプローチ。相手の気持ちにどう応えたら良いのか分からず曖昧な態度を取ってしまった中野さんですが、そのせいで戸田くんに対して思わぬ誤解が生まれてしまいました。「他人の心が視える」というテレパス少女の中野さんですが、皮肉にも「自分の気持ちを相手に伝えられない」もどかしさに悩むことに……。
第310話『なくなってしまう』にて

第310話『なくなってしまう』にて

via © NOBEL 2017
7月8日に発売された第4巻では、秋の文化祭がスタート。中野さんと戸田くんのすれ違いを軸に、NOBELさんが語る「自意識の話」の核心へと迫っていきます。中野さんが何を自覚して仲間とのつながりを取り戻していくのか。今後の展開からますます目が離せません。

「妄想」をカラーで見せるアイデアの誕生秘話

また、インタビューでは「マンガのカラー化」に関する話題にも及びました。

NOBELさんが『妄想テレパシー』ではじめた「カラーは妄想(リビドー)、モノクロは現実(リアル)」というアイデアは、フルカラーのメリットを上手く利用した画期的なテクニックでした。今回のお話では、そんなアイデアが生まれた経緯も明らかに。

「マンガのカラー化はいずれ必ず標準になる」と語る、星海社の代表取締役副社長COOで担当編集の太田克史さんを交えながら、インタビューの模様をお伝えします。
水着と女心 -『妄想テレパシー』NOBEL | ツイ4...

水着と女心 -『妄想テレパシー』NOBEL | ツイ4 | 最前線

via sai-zen-sen.jp

作者: NOBEL

作者: NOBEL
読み方はノーベル。京都府出身。『妄想テレパシー』は、「ツイ4新人賞」発の連載作品第一号となる。自身のウェブサイトでも日々マンガを更新中。単行本に、『僕と宇宙人』(となりのヤングジャンプで連載。全3巻)。最近ハマっているものは『ファイナルファンタジーXⅣ』『Tokyo 7th シスターズ』など。

背景で描かれる京都の資料はお母さんが撮影

――京都が舞台なのは、やはりご自身がお住まいだったからですか?

NOBEL:そうですね。いまは都内在住ですけど、実家があるので母が写真を撮ってきてくれるんです(笑)。 私、背景がすごく苦手で写真を見ないと描けないんですけど、資料を手に入れやすいので助かってます。

ただ、背景として京都を選んでいるだけで、あんまり京都が舞台のマンガという感覚はないんですよね。土地勘があるぶん、背景が描きやすかったり話が考えやすいというレベルだと思います。
素材はいい -『妄想テレパシー』NOBEL | ツイ4...

素材はいい -『妄想テレパシー』NOBEL | ツイ4 | 最前線

via sai-zen-sen.jp
――そうだったんですか。でも、祇園祭のエピソードもあったような?

NOBEL:はい。太田さんから「祇園祭やりましょうよ」って言われなければ、たぶんスルーしてたと思います(笑)。

太田:せっかく京都を舞台にしてるなら、ご当地感がチラホラと出てきた方が面白いかなって。僕は聖地巡礼みたいな行為が嫌いじゃないんですよ(笑)。

中野さんが戸田くんを「好き」と「自覚」した瞬間は?

――なるほど。キャラクターたちが話す言葉が標準語なのも、そういった理由からなんですね。

NOBEL:そうですね。そもそも『妄想テレパシー』のテーマって、京都が舞台である必要がない内容じゃないですか。だから、そこに方言が入ってくると「なんで?」って余計な意味が付いちゃうと思ったんです。

太田:京都での学生生活をウリにしているマンガじゃなくて、あくまでも隠し味程度ということですね。

NOBEL:そうですね。でも、自分の地元が舞台だったりすると嬉しいのはすごく分かるので、知ってる人が知ってるところが出てきて楽しんでいただけたらって思ってます。
想像さえも -『妄想テレパシー』NOBEL | ツイ4...

想像さえも -『妄想テレパシー』NOBEL | ツイ4 | 最前線

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――先ほど中野さんの「自意識」の物語とおっしゃっていましたが、先生の中で中野さんが戸田くんのことを無意識の中で「好き」って自覚し始めたのはどのタイミングですか?

NOBEL:3巻の終わりですかね。中野さんが清水と付き合ってるって、戸田くんを含めて周りが勘違いしているところだと思ってます。
――ちゃんと否定しなきゃっていうところですね。

NOBEL:そうそう。あの辺から自分で言葉にしないだけで、薄々「戸田くんのこと好きだな」っていう意識があると思うんですよ。プライド高いので、中野さん。

中野さんは高飛車な女

――中野さんってプライド高いですか?

NOBEL:めちゃめちゃ高いと思います。序盤から見せてると思うんですけど、彼女ってマイナス思考の皮をかぶったかなり高飛車な女じゃないですか?

太田:そうかもね。
第21話『いいところなんかない』にて

第21話『いいところなんかない』にて

via © NOBEL 2017
――自分が傷付きたくないという意味で?

NOBEL:そう、自分が嫌な思いをするのがとにかく嫌なんですよ。人付き合いが苦手なら苦手で、もっとやりようがあると思うんです。でも、彼女が採った選択っていうのは、最初から興味がなかったフリをすることなんですよね。
第58話『模範解答』にて

第58話『模範解答』にて

via © NOBEL 2017
――マナが戸田くんに告白しようとするときも応援するよと言ったり?

NOBEL:そこはフリじゃなくて実際に応援していたと思いますけどね。でも、それまでだってマナたちと「遊ぼう」って言うんじゃなくて、「私は遊びたいなんて思ってないもん」って自分に言い聞かせているので、自分が負けたっていうのを認めたくないんですよ。

プライドが高い人って負けるの嫌じゃないですか。だから食い下がることをしないっていうか。彼女のそうやって何もせずにあきらめるところがダメなんですよね。
――なるほど。大切なものはちゃんと掴み取らないと。

NOBEL:そうですね。そういう自意識に関する物語だったりするわけで。戸田くんがそのきっかけを与えてくれたんだと思います。

やっちゃんは描いていて楽なキャラクター

――ちなみに先生が一番好きなキャラクターは?

NOBEL:描いてて楽しいのは……やっちゃん? 一緒にいて楽そうだから(笑)。
――年上の彼女との関係なんて、いい感じですよね。

NOBEL:そうですね。本当はあれくらいの距離感が良いですよね。だから、やっちゃんは描いててとても楽です。ただ、みんなまだ高校生だから、もっと色々と悩んだり頑張ったりしてほしいんですけど(笑)。
意外な一面 -『妄想テレパシー』NOBEL | ツイ4...

意外な一面 -『妄想テレパシー』NOBEL | ツイ4 | 最前線

via sai-zen-sen.jp
――そういえば、やっちゃんって主要メンバー4人の中で一番頭が良いのですか?

NOBEL:いや、彼は自分のレベルを知ってるだけなんです。

太田:要領のいい奴ですよね。無駄な努力はやらないタイプ。

NOBEL:学校のテストは授業を聞いてれば十分じゃないですか。でも、受験というのはまたそれとは別ですよね。やっちゃんは、そういうのを頑張らない人です(笑)。

太田:彼も地頭はいいから頑張れば良い大学行けるかもしれないけど。

NOBEL:でもそれを選ばないのが彼なんですよね。
第384話『真の天才』にて

第384話『真の天才』にて

via © NOBEL 2017

いま登場しているキャラクターで最後まで描き切る

――やっちゃんもですけど、マナも考え方とか処世術が大人びてますよね。

NOBEL:(笑)。きっと宮部さんの影響をがっつり受けてる証拠なんですよ。こましゃくれた感じとか年相応のおバカさがないから困ってるんですよね、みんな。

――逆に中野さんや戸田くんは年相応に悩んでいる感じがあります。

NOBEL:彼らのほうが高校生らしいですよね。自分のやりたいこともよく分かってない感じとか。
第265話『風紀乱し委員会』にて

第265話『風紀乱し委員会』にて

via © NOBEL 2017
――今後新たにキャラクターが増える予定はありますか?

NOBEL:もうないですね。このメンバーで最後まで行くつもりです。

――たとえば、ちょっとセクシーな風紀委員長にスポットが当たったりとか。

NOBEL:ああー。彼女はなぜか人気のあるモブですけど、そこまで掘り下げる予定はないですよ(笑)。背景として出すことはあっても、別に話に絡んできたりとか、大きく動かす要因にはならないと思います。

最終回までのプロットは全部頭の中にある

――単刀直入にお聞きしますが、『妄想テレパシー』はあと何巻続く予定ですか?

NOBEL:うーん、あと2~3巻かなって。4巻が出て、5巻じゃ締めきれないので6~7巻になりますね。

――すでにプロットはすべて頭の中にあるんですか?

太田:短期集中連載が終わったタイミングから、NOBELさんの中にはすでにありましたよね。だから今日まで物語にズレがないんです。
NOBEL:何をどこで、どうやって、どれくらいの期間で終わらせたいのか、着地点はどこで最後はどうなるのかっていうのを最初に文章にして、編集部さんと共有させていただいてます。

大まかなあらすじは先に私から提案して、それに対して意見をいただいたうえで、ネームチェックとは別に細かい部分は決めていく、というようなかたちです。でも、最近はあんまり打ち合わせができないので、基本的に一巻分の打ち合わせを全部まとめてやっちゃってますね。
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――目的地とチェックポイントは決めていて、どんな道を通るのか考えていく感じなんですね。そのチェックポイントは中野さんと戸田くんの関係性?

NOBEL:ですね。私の話の作り方がどうしても精神論なので、キャラクターの気持ちがどう変わっていくのかは考えるんですけど、そこに季節感が抜けてて(笑)。

太田:たしかに季節感や行事に関して言うと、僕らのほうから入れてくれとお願いすることが多いかもしれない(笑)。

『妄想テレパシー』は一年間の物語

――最新話(416話)は文化祭だから、秋くらいですか?

NOBEL:はい。夏休みが明けて一ヶ月経ってからの準備期間があって……だから10月中旬くらいのイメージですね。そろそろ文化祭が終わったら、中野さんたちの進路に関するお話になる予定です。
高校生活 -『妄想テレパシー』NOBEL | ツイ4 ...

高校生活 -『妄想テレパシー』NOBEL | ツイ4 | 最前線

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――なるほど。となるとストーリーは一年間?

NOBEL:はい。卒業までの一年間っていうのは最初から決めてました。

太田:それだけは最初に話がありましたね。編集側としては、ヒットすれば2周目があると良いなって思ってるからどうかな?って。

NOBEL:言ってましたね。やだーって言ってた気がする(笑)。

太田:最後に卒業式っていう大きなイベントが欲しいから、そこに向けて考えると3年生しかないっていうことなんですよね。それなら仕方がないかあって。
僕と宇宙人 1 (ヤングジャンプコミックス) | NO...

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――なるほど。余談ですが『僕と宇宙人』も一年間?

NOBEL:そうです。あれも一年で。学園生活を2周も描く気力がないので、勘弁してください(笑)。

盛り上げたいシーンは巻末で描く

――ストーリー的にチェックポイントがあるので、「ああ~やっと描けた」っていう達成感を感じる瞬間はありますか?

NOBEL:ありますね。基本的にそういうシーンは巻末に持ってこようと思っていますので。

太田:毎回、「ここで終わります」っていうところで描きたいものを持ってきてるよね。
あのときのことば -『妄想テレパシー』NOBEL | ...

あのときのことば -『妄想テレパシー』NOBEL | ツイ4 | 最前線

via sai-zen-sen.jp
――たとえばマナの戸田くんへの気持ちとか、キャラクターをひとりずつ掘り下げていくとき、このキャラの話はもう描けたっていう感覚はありますか?

NOBEL:あんまりないと思います。たしかにこの子の山は越えたなって思うことはあるんですけど、だからと言ってもういいやとはならないので。それ以降もその人は生きてるし、何か考えてるし、考えが変わることがあるかもしれないし。

たとえばマナはひとつ山を越えたと思うんですけど、彼女だってまだこれから重要な役を担っているので、全然まだ描くつもりです。
第297話『さよなら初恋』にて

第297話『さよなら初恋』にて

via © NOBEL 2017

「ツイ4」はストーリーを4コマで表現していきたい

――『妄想テレパシー』は完全にストーリーマンガの作り方ですね。4コマをつなげて物語を作るって、組み立てとしてはどうなんですか。

太田:他の作家さんだと、単行本にするときに話の順番を入れ替えましょうか?って提案をすることもありますけど、NOBELさんには言ったことはないですね。せいぜいここで一回箸休めを入れましょうくらいで、そのまま本になってます。

NOBEL:そうですね。勝手に変えられたら怒ると思います(笑)。どの情報を先に出すかっていうのはすごく考えるので……。
――かなりデリケートな問題なんですね。

太田:ストーリーマンガを4コマでやる、っていう方法論については「ツイ4」も今日まで紆余曲折があったんです。

最初のころはリツイートされることが「ツイ4」を広めることになるから、「インパクトのある一発ネタ」が強いって考えで進めてました。でも、KANAさんの『女の友情と筋肉』がすごくウケるようになって、これは一発ネタだけじゃないぞと。
ツイ4 | 最前線

ツイ4 | 最前線

via sai-zen-sen.jp
「ツイ4」って毎日更新されるからこそ、読者が毎日お気に入りのキャラクターを愛でたり、ちょっとずつ進んでいくストーリーを楽しめる魅力があるんじゃないかと思ったんです。だったら、「ツイ4」という媒体に合った方法論で、キャラクターとストーリー性が強いものをあえて4コマでやっていこうぜ! と編集部で盛り上がって。そんな時にNOBELさんとお会いして、これは鉱脈だろうと思いました。

いわゆる4コマらしい、起承転結のあるマンガが好きな人にとっては「こんなの4コマじゃない」って言うかもしれません。でも、そうじゃないところに少なくとも「ツイ4」読者のニーズがあると思っています。それはNOBELさんと最初にお会いしたとき、じっくりとお話させていただいたことでした。そしたらすごく良いものを考えてくださって、本当に感謝しています。

なるべくカラーの演出は入れたい

第175話『アオる』にて

第175話『アオる』にて

via © NOBEL 2017
――では、連載をしていく中で一番意識してるところは?

NOBEL:できるだけカラーを入れたい、ってことですね。

――この作品にとってカラーは重要なポイントですよね。最初の応募タイミングからこの作品の演出がフルカラー前提になっていますし。

NOBEL:そうですね。それで投稿しちゃったんで、その設定で話は進めていました。
「 」 -『妄想テレパシー』NOBEL | ツイ4 |...

「 」 -『妄想テレパシー』NOBEL | ツイ4 | 最前線

via sai-zen-sen.jp
――まったくカラーが入ってない話って……。

NOBEL:結構あるんですよ。中野さんがいないところは全部カラーがないので。それに、たとえ中野さんがいたとしても、シーンとして心の中を描く必要がないところはモノクロにしていますね。

でも、マンガの表現上できるだけカラーは使っていきたいなとは思って構成は考えています。だから中野さんがいないところで話を進めるのはなるべく避けたり、できるだけ舞台に中野さんが立っているように気を付けてますね。
妄想テレパシー -『第5回 ツイ4新人賞座談会』 | ...

妄想テレパシー -『第5回 ツイ4新人賞座談会』 | ツイ4 | 最前線

via sai-zen-sen.jp
――そもそも心の中をカラーで見せるという演出は、最初から構想としてあったのですか?

NOBEL:最初は応募要項に書いてあったから気軽に始めたんですよ(笑)。カラーでも良いんだったら、って戸田くんの考えてるエロい画だけに色を塗っていたら、手を抜いているのがバレるなと(笑)。だったら、人が考えているところだけカラーにしようかなってネームを切っていって、最終的に出来上がったのが投稿作です。

描きたかった戸田くんの「透明の涙」

――作中ではカラーを使った色々な演出が描かれていますが、個人的に気に入っているエピソードはどれですか?

NOBEL:個人的にすごく描きたかったのは、2巻の最後で戸田くんの心の涙の色が透明だから、現実では涙を流していないということが分からない、みたいなシーンです。

心の中はカラーで見えるっていう文法がハッキリと読んでくれる人に伝わった上で、そこを逆手に取ったような演出というか。そういうミスリード的な演出ってモノクロだとできないから、いざ描き始めてみると面白くて、色んな表現をためしてみたくなりますね。
なにも言えない -『妄想テレパシー』NOBEL | ツ...

なにも言えない -『妄想テレパシー』NOBEL | ツイ4 | 最前線

via sai-zen-sen.jp
太田:カラー化っていうのは、以前からの私の持論の未来予測で、「マンガはいずれカラー化する」と思ってるんですよ。これは必然だから、早めにやろうって。

近い将来、マンガのカラー化は必ず標準になる

――それはデジタルが起点になっているということですか?

太田:そうですね。ハッキリ言ってしまうと、今のスクリーントーンを使って一色で表現するっていうマンガの文法は、マンガ誌ありきのお金のかからない手法なんです。カラーを使わない方法ですからね。もっと言えば、吹き出しに入るアンチゴチ(書体名)も、粗悪だった昔の印刷でも読めるようにと採用された書体だったわけで。
ツイ4新人賞 | 最前線

ツイ4新人賞 | 最前線

「ツイ4新人賞」の投稿サイトには、現在もカラー・モノクロ表現の自由が明記されている。
via sai-zen-sen.jp
――当時でもカラーで安価に仕上げられるならそうしてた、と。

太田:だと思いますよ。キーボードのQWERTY配列みたいなものです。それはそうだとみんな分かってるけど、歴史や伝統があるからそれに倣っているだけ。でもそれは違うんじゃないかって思ってるんです。いまWEBでメディアを見た時に、モノクロの表現って小説と日本のマンガしかなくって、それはどう考えたって悪しきガラパゴスでしょうとしか思えないんですよ。

もちろん、これまでにカラーでマンガをやっていこうとする色々な取り組みがあったわけです。でもそれを単純にカラー化にするだけじゃなくて、NOBELさんみたいにマンガの表現するテーマに絡め合わせて使うっていうのはすごいなと。本当に衝撃を受けましたね。
第6話『自己紹介』

第6話『自己紹介』

via © NOBEL 2017
NOBEL:だって全部塗るの大変じゃないですか。だからアイデアが降ってきたというより手抜きの結果……(笑)。
太田:大発明だと思いましたけどね。やっぱりカラー化っていうのはどうしても避けられない理だと思いますから。

『妄想テレパシー』からマンガの新しい文法を発見

――マンガ家にとっても、ですか?

太田:出版社からすれば印刷コストに違いはありますけど、描く側からすればデジタル化になったことで費用的にほとんど差がなくなりましたからね。昔はカラーを描こうと思うと手間だけじゃなくてお金もすっごくかかってて、手を加えるほど失敗したときのコストもすごかったわけですから。

NOBEL:たしかにそうですね。もちろんモノクロに比べればデジタルでも多少は大変ですけど、だいぶ楽になったんじゃないですかね。
第416話『彩りの地獄へ』

第416話『彩りの地獄へ』

via © NOBEL 2017
――こういう方法を他のマンガ家さんが知ったら、アイデアを取り入れてくるわけですしね。

NOBEL:そうですね。私、いまでも「ツイ4新人賞」の応募作品を読んでるんですけど、ときどきカラー表現をためしている方がいるので非常にうれしいです。

――新しい文法を開拓したっていうことですよね。

太田:マンガの歴史ってそういうものじゃないですか。文法をみんなが共有するから進化があるわけで。だからそれはどんどんむしろNOBELさんに触発されて、同じ手法なんだけど違うテーマがあるとかね。上手くこの方法論をパクって……じゃなくて昇華させることができれば。

NOBEL:そうそうそう(笑)。本当にWEBでしかできませんから、色々な表現をぜひためしてほしいと思ってます。

今後も楽しみな『妄想テレパシー』を応援しよう!

前後編にわたってお届けしましたNOBEL先生のインタビュー、いかがでしたでしょうか。

『妄想テレパシー』は現在、ダ・ヴィンチとniconicoが創設した"ユーザー参加型"のマンガ賞「第3回 次にくるマンガ大賞」で、Webマンガ部門にノミネート中。今まさに注目度が上昇している作品です。

第3回 次にくるマンガ大賞
http://tsugimanga.jp/

また「ツイ4」で毎日更新中の物語では、いよいよNOBELさんが語る本題、中野さんの「自意識」に関わるエピソードが徐々に登場。4コマ形式で気軽に読める「ツイ4」だけに、今からでも最新話まで一気に読み進めることができます。

今後の展開がますます楽しみな『妄想テレパシー』。読者の反響が目に見えるかたちで作家に伝わる作品だけに、ついつい応援したくなりますね!

『妄想テレパシー』第4巻

妄想テレパシー(4) (星海社COMICS) | NO...

妄想テレパシー(4) (星海社COMICS) | NOBEL |本 | 通販 | Amazon

via Amazon
著者:NOBEL
発売日:2017年7月8日
価格:830円[税別]
発行元:星海社

2016年2月より「ツイ4」にて連載中

妄想テレパシー(4) (星海社COMICS) | NOBEL |本 | 通販 | Amazon

妄想テレパシー(4) (星海社COMICS) | NOBEL |本 | 通販 | Amazon
AmazonでNOBELの妄想テレパシー(4) (星海社COMICS)。アマゾンならポイント還元本が多数。NOBEL作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。また妄想テレパシー(4) (星海社COMICS)もアマゾン配送商品なら通常配送無料。

『妄想テレパシー』NOBEL | ツイ4 | 最前線

『妄想テレパシー』NOBEL  | ツイ4 | 最前線
中野さんは、他人の心の声が視える女子高生。そのせいで知ってしまった人気者・戸田くんの脳内は、自分への妄想であふれていた……!

NOBEL (@NOBEL827) | Twitter

NOBEL (@NOBEL827) | Twitter
The latest Tweets from NOBEL (@NOBEL827). 漫画家◾︎妄想テレパシー/僕と宇宙人/初音ミクProjectMirai◾︎@728LEBON. ゴブレットビュート/ナナスタ
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コマツ
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エンタメ系情報誌で編集者を経て、フリーに転向。得意分野はマンガを中心に、映画やアニメなどインドアエンタメが中心です。

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